真楽寺


史と伝説に彩られて・・・・

 真楽寺は、用明天皇元年(586年)に、浅間山の噴火が鎮まることを祈願して建立されました。二回の場所移動、三度の火災と水害に遭って現在の位置に定まり、私たちが目にする堂塔伽藍になりました。1400年の長い歴史と伝説に彩られた古刹です。
 境内に向かうと、最初に茅葺き屋根の仁王門が迎えてくれます。両側に安置された仁王像に鋭い視線で見つめられながら門を潜り抜けた途端、昼なお暗い杉木立に囲まれた参道となり、霊域に入り込んだことを実感させられます。参道両側には地蔵菩薩が並び、右手には、甲賀三郎の伝説で名高い大沼の池があります。
 清く冷たい水を満々とたたえた池・…。池の北側には、伝説に因んだ龍が首を持ち上げ、その近くには、浅間山の伏流水が間断なく水中の砂を巻き上げ湧き出ています。この池には、聖徳太子が立ち寄られたおり、その成長の見事さに感心して引き寄せてご覧になられたという“七尋芹”の伝説もあります。長い石段を登りつめると、厄除慈母観音堂。その右手には、「むすぶよりはや歯にひびく清水かな」と芭蕉句碑と樹齢千余年の神代杉があります。 奥には、三重の塔が端正な姿を見せています。観音堂の左手には鐘楼、本堂などがあり、源頼朝ゆかりの逆さ梅や弁慶の腰掛松などもあります。境内西側の小高い丘には、高さ20メートル、日本一大きい子育地蔵菩薩が建っています。子供の安らかな成長と水子供養のため、昭和61年に建設されました。ここから眺める堂塔と樹木の美しさは格別で、しばし時の経つのを忘れます。

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